
こんにちは!
皆さんの中に鍼灸が凄くよく効く人はいますか?
逆に、全然効果がなくて、むしろ症状が悪化したという人もいたりするのではないでしょうか?
今回は「鍼灸が効く人と効かない人」について考えてみたいと思います!
ゴッドハンド
時々、「遂に私はゴッドハンドを得た!!」と思う時があります。
ぎっくり腰で起き上がれなかった人を一度の施術で立ち上がらせ歩かせることができたり、腰痛で息もできないと苦しんでいる人を接触鍼で一瞬で痛みをとったり、腫れている足首に接触鍼をしただけで腫れを消したり・・・と、
こんな無名の私でも、これまでに数々の奇跡(?)を起こしてきたことがあります!!
こんな時は、「まあ、本氣を出せばこんなものでしょ!!」っと、鼻がスカイツリー並みに高くなっているのですが、一方で、いくら鍼をしても、全然変化や効果のない人もいたりします。そんな時は、「まだまだ勉強不足、力不足・・・。」と底なし沼にでも落ちていくように気持ちが沈んでしまいます。
施術の効果が出ないのは、もちろん私の腕がないことが原因でもあるとは思うのですが、ただ最近、私の実力云々以前に、もしかしたら世の中には鍼灸が合う人と合わない人がいるのではないか・・・と考えるようになりました。
鍼灸が効く人と効かない人
正直言って、鍼灸が効く人に施術をすると、私の施術力に関係なく効果が出ている氣がします。
ただ鍼や灸をするだけで筋肉が緩んだり、症状が改善してしまうのです。もちろん、その人の体調次第では、効果に時間がかかることもありますが、大体その時の施術で症状が改善します。そういう人を施術する時は、私に何か特別な力でもついたのではないかと思えるほどです。
逆に、鍼灸が効かない人に施術をすると、ただただ焦るばかりです。鍼を刺しても、接触鍼をしても、お灸をしても、体はうんともすんとも言わないからです。逆に余計に筋肉が硬くなったりすることもあって、時間で施術をしていることもあり、結果を出さなければ・・・と気持ちが焦ってしまいます。こんな時は、「あれっ、私のゴッドハンドはどこ行ったの?」と叫びたくなります。
ただ、誤解して欲しくないことは、鍼灸が効くと言っても、慢性的症状や病気が鍼灸だけですぐに治るという訳ではありません。やはり、慢性的なものや病気を治すとなると、鍼灸だけではなく、生活習慣や食事、考え方や価値観などを本格的に見直して変えていかないと治ることは難しいと私は考えています。

次は、「鍼灸が効く人と効かない人の特徴」についてまとめてみました。ただ、まとめたものに当てはまらない人も当然いると思います。ですから、鍼灸効果の出る人と出ない人には以下のような傾向があるということをお伝えします!
鍼灸が効く人
ここでいう「鍼灸の効果」とは、一度もしくは継続的な鍼灸施術をしたことで、施術前よりも症状や病気が改善または治癒したり、心身が健康になった場合に「効果があった」ということにしたいと思います。

一括りに「鍼灸が効く」と言っても、人によっては鍼が効く人と、お灸が効く人とに分かれたり、両方効く人もいたりします。
また、鍼も皮膚や筋肉に直接鍼を刺入する「刺す鍼」と皮膚に鍼先を当てたり、鍉鍼(刺さない鍼)で皮膚に刺激を与えて施術する「接触鍼」というやり方があり、こちらも「刺す鍼」が効く人と「接触鍼」が効く人とがいたります。
次は、それぞれの特徴を見ていきたいと思います。
刺す鍼が効く人の特徴
「氣の滞り」を動かす必要があるタイプ
1. 氣質・体質の傾向
- 氣滞タイプ(イライラ・張り・のぼせがある人)
- 実証傾向(体力がある、声が大きい、舌質が赤く厚い苔がある、脈が力強い)
- 交感神経が優位(興奮・不眠・目の疲れなど)
- 鈍感傾向(多少の刺激では反応しにくい)
2. 症状の特徴
- 局所に「刺して動かす」必要があるような明確な圧痛点やしこりがある(痛み、こり、詰まり)
- 氣血の流れが悪い(瘀血・冷えのぼせ・鬱滞)
刺す鍼は、経絡の深層や臓腑、筋肉に「届かせて動かす」刺激なので、より強い「排出」や経絡を「通す」必要がある人に向いています。
接触鍼が効く人の特徴
氣の感受性が高く、微細な刺激で反応できるタイプ
1. 身体・氣質の特徴
- 氣虚(エネルギー不足)傾向の人
- 敏感体質(触覚や音などへの反応が強い)
- 子ども、高齢者、虚弱体質の人
- 鍼に対する恐怖心が強い人
- 自律神経が過敏(不眠、動悸、過換気など)
2. 症状・体調の傾向
- 疲れやすい、冷えやすい
- 緊張すると体調を崩す
- 刺激を受けると逆に悪化しやすい(「鍼あたり」しやすい)
- 「氣の巡り」や「表層のバランス」が乱れている
接触鍼は、気の表層(衛気)や経絡を「整える」作用が強く、微細なズレを整えるタイプに向いています。
お灸が効く人の特徴
「冷え」や「虚弱」など、温めて補う必要があるタイプ
1. 氣質・体質の傾向
- 血虚・陽虚タイプ(冷え、疲れやすい、顔色が淡白)
- 虚証傾向(やせ型・声が小さい・胃腸虚弱・寝汗)
- 高齢者、冷え性の女性、虚弱体質の人
2. 症状の特徴
- 慢性的な冷え、倦怠感、月経不順
- お腹や腰、足先の冷え・寒がり
- 脾腎陽虚に起因する疾患(下痢、浮腫、慢性疲労など)
お灸は「補氣」や「陽氣を起こす」作用が強く、特に「温める」必要のある状態に適しています。
鍼灸が効かない(効きにくい)人の特徴
次は、鍼灸が効かない・効きにくい人の特徴を見ていきたいと思います。これも鍼と灸に分けてみていきます。
鍼が効かない人の特徴
1. 氣血の極端な虚(虚証・氣虚・血虚)
- もともとエネルギー(氣)が少なく、鍼の刺激が強すぎる
- 逆に刺激を入れても反応が出ない、変化が起こりにくい
- 脈が無力・細い
- 鍼のあと逆にだるくなったり、疲れるだけになる
- 肉体的・精神的に「鈍麻」している(特に慢性疾患、長期服薬者)
2. 過緊張
- 極度に緊張しており、リラックスできない(心身のこわばり)
- 鍼に対して極度の恐怖心がある
- 痛みへの強い警戒心があり、力が抜けない

ただ「鍼が効かない=合わない」ではないこともあります。それは「今のその人の状態に、鍼のやり方が合っていない」のかもしれません。
そのような時は・・・
- 鍉鍼・接触鍼に変える
- 灸・温熱を使う
- 呼吸や意識の向け方を整える
など、アプローチを変えることで反応が出るようになることはあります。
お灸が効かない(効きにくい)人の特徴
1. 実証・熱証タイプ
- もともと「熱」がこもっている体質(顔が赤い・イライラ・のぼせ・口が乾く)
- 暑がりで冷たいものを欲しがる
- 火を加えると、逆に不快になったり、悪化したりすることがある
2. 皮膚が非常に敏感・弱い人
- アトピー性皮膚炎や乾燥肌、痒みが出やすい人
- 灸の熱刺激に皮膚が過剰に反応し、かぶれや色素沈着、灸後の残存が起きやすい
3. 極度の氣血両虚状態
- 極度の疲労、体重減少、寝たきり、栄養不良など
- 動くと動悸・息切れなどがする
お灸が合わない場合は、鍉鍼や接触鍼で氣を補ったり、ホットパックや温灸など優しい温熱刺激を使用したり、別の施術方法を考えましょう。
鍼が合うか合わないかの判別方法
最近、杉本錬堂という方を知りました。この方は「天城流湯治法」の創始者で治療家です。
彼は自衛隊からパティシエになり、その後治療家となるのですが、それだけでも興味深い人生ですが、それだけにとどまらず、雷に打たれたり、なぜか世界の長老会議の日本代表になったり、毎日夜中の2時に目に見えないものから起こされて、人体についての講義を受けたり・・・と、本当に面白く興味深い人生を歩まれている方です。
やはり、人や世の中を動かす方の人生は本当に奇想天外で、何かに導かれているのだなぁと思えます。
そんな彼が「Origine Of Life(オリジン・オブ・ライフ)〈人間の原種〉」というものを研究していて、人類は猿から進化したものではなく、様々な動物の因子によってできているとする考え方です。興味ある方はこちら「Origine Of Life(オリジン・オブ・ライフ)〈人間の原種〉」を見てください!
このOOLで、手を見ることで人を木系・土系・金(石)系・水系の4タイプに分ける方法があり、このうち木系・土系は鍼治療が合い、金系・水系は鍼治療は合わないと言っていました。
鍼が合うとされる木系と土系の特徴だけお伝えすると、
木系は指が長くて指先が細い手です。

土系は指先がちょっと大きくて、なんとなくゴツゴツした手です。

このような手の人は鍼が合うようです。逆を言えば、それ以外の手の人は鍼が合わないということになります。
このことを知ったのが最近なので、まだ確信に至ってはいませんが、今後は患者さんの手を見て施術方法を考えていきたいと思っています。
まとめ
例えば、ぎっくり腰をして、Aさんは鍼灸で治っても、Bさんも同じように鍼灸で治るとは限りません。
また、Bさんは温泉に行って腰痛が治ったかもしれないけれど、Aさんは温泉に行って腰痛が悪化するかもしれません。
世の中には様々な健康法や治療法がありますが、誰かに合う方法が自分にも合うとは限らないのです。
ただ、鍼灸施術でも、時間をかけていく中で徐々に症状が良くなる場合もあるので、すぐに効果が出ないからと言って「鍼灸が合わない」訳ではないですし、その日の体調によって効果の出方が変わることもありますし、施術方法(刺鍼か接触鍼かなど)によっても効果の出方が違う場合があります。
ですから、一度や二度の施術で鍼灸が合わないと決めつけないで欲しいとは思うのですが、そうはいってもやはり「合う合わない」はあると思うので、鍼灸に限らず、これからは自分の体質を知って、自分に合った健康法を見つけていくと良いと思います。
ちなみに私の場合は鍼灸の専門学校に行っていた頃は大丈夫だったのですが、最近になって、刺鍼したところが赤く腫れたり痒くなって、金属アレルギーのような症状が出てくるようになったので、鍼ができなくなってしまったのと、体質的に刺鍼よりも接触鍼の方が合っていると感じています。
最後に、私がこれまで出会った「鍼灸が効く人」に共通する点は、どの人も皆、
「私は鍼灸が効く!鍼灸が好き!」と言っていたことです!
結局は、思い込みが一番効果が出るのかもしれません・・・。
動画
これまでの内容を簡単にまとめた動画もありますので、こちらも是非、ご視聴ください!