東洋医学で見る「肝臓」の働き〜判断力・蔵血・筋・爪・目・涙〜

東洋医学
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momo
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今回は「肝臓」の東洋医学的働きを見ていきたいと思います。

「肝臓」といえば、西洋医学的にはアルコール分解などの解毒作用を一番に思い浮かぶのではないかと思います。

東洋医学ではどんな働きがあるのでしょう。

疏泄(そせつ)を主る

「疏泄」とは流れや発散を意味していて、気血津液の流れを円滑に且つのびやかにし、体のすみずみまで行き渡らせることを言います。
この疏泄には4つの働きがあります。

気の流れを調節する

気の運動のことを「気機」と言い、「昇・降・出・入」という四つの働きがあります。肝は五行でいえば「木」に属し、「木」は上・前後左右へと伸びていくという性質があります。ですから、肝の気も上昇するという性質があり、この肝の気の上昇性と肺の気の粛降作用(下げる働き)により、気の流れはバランスをとっています。肝の疏泄機能が正常であれば、気は条達(四方に通じる)し、気血は調和し、経絡が通じます。

しかし、肝の疏泄機能が正常でなくなると、「気機鬱結」と言って肝気がうまく上昇できなかったり、「肝気上逆」と言って肝の気が昇発しすぎたり、気が上手く流れないことで血行や津液の流れも障害されます。

脾胃の運化機能を促進する

肝の疏泄作用には脾の昇清作用や胃の降濁作用を助けるという働きがあります。脾胃の昇降作用を正常に行うには肝の疏泄作用が必要です。

もし、肝の疏泄作用に異常が生じれば、脾の昇清作用や胃の降濁作用に影響が出て、めまい・下痢・嘔吐・膨満感・便秘などが起こります。

胆汁の生成と排泄

胆汁の生成と分泌、そして、小腸への排泄は肝の疏泄作用に頼っています。ですから、疏泄作用が正常でなければ、胆汁の分泌や排泄などに異常が生じ、消化不良が起こったり、黄疸が生じたりします。

感情のコントロール

以前「東洋医学でみる心臓の働き」というブログでもお伝えしましたが、「心」は人の感情、精神・意識・思惟活動と関わっています。そしてこの精神活動は気血の運行に依頼しており、気血の運行は肝の疏泄作用に依頼しています。

ですから、肝の疏泄機能に異常が生じれば、気血の運行が乱れ、感情にも影響が生じます。疏泄作用が不足していれば肝気が鬱結するので、ため息が出たり、憂鬱になって元気がなくなったり、体の動きが鈍くなったり、表情が暗くなったりします。

逆に疏泄作用が過剰になると気機が乱され、イライラしやすくなって、少しの刺激で激怒したりします。

また、肝は判断力や計画性などの精神活動も支配しているので、肝がしっかりしていれば変化に対応した適切な行動が取れるのですが、異常があればイライラしやすくなったり、逆におどおどしたります。

血を蔵す

肝は血液の貯蔵庫で、全身の血液量を調節しています。

安静時には四肢の血が少なくなって肝に戻ります。動き出すと、肝に貯蔵していた血を四肢に配分します。これも肝の疏泄機能によるもので、疏泄機能が不足すると肝気は鬱滞し血行不良となり、めまい、難聴などが起こり、疏泄が過剰になると頭痛、めまい、耳鳴りを起こします。

夜は多量の血が肝に戻り、脳に行く血も少なくなるので眠くなります。しかし、この働きがうまくいかないと不眠になります。

また、女性の月経異常も肝の病変によることが多くあります。

肝の感情は「怒」

五臓と感情」というブログでもお伝えしましたが、怒りは肝臓から生み出されます。
ですから、疏泄作用が上手く行かないと「怒」が出やすくなってしまいます。

肝の変調は目に現れる

肝経は目系(目と脳を結ぶ脈絡)につながっているので、肝気と肝血が目に注ぎ栄養されています。そのため「肝は目に開竅する」と言われています。ですから、肝の状態は目や視力に反映されます。逆を言えば、目を使いすぎると肝の機能を損なう元となります。

そして、肝は目と通じているので、肝の液は「涙」です。肝の働きがしっかりしていれば、涙は眼球を潤し、保護し、視力を維持しますが、肝の働きが悪くなると、ドライアイになったり、涙が出過ぎたりします。

肝は筋を主る

肝は筋肉の運動と支持の機能に関係しています。筋肉の収縮と弛緩は肝血によって滋養され動きが潤滑になるので、肝の働きが正常であれば筋の運動機能も正常に働き、問題があれば、手足の振動、痺れ、痙攣などが起こります。

また、逆を言えば、筋肉を過度に疲労させることは肝に影響を与えることとなります。

肝の状態は爪に反映する

「爪は筋の余り」と言われており、ここでいう「余り」とは末梢・末端を意味します。肝の状態は爪に現れるので、肝の働きが正常であると爪は艶や弾力があり、赤みを帯びています。逆に正常でないと、爪の色つやが悪くなり、変形したりします。

momo
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どうでしたか?

東洋医学で見る「肝臓」の働きは、西洋医学とは違う部分が多々あったのではないでしょうか?

肝臓と目がつながっていたり、怒りと肝臓がつながっていたり、思わぬところと臓器がつながっているところが東洋医学の面白いところでもあります。

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