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私は鍼灸師をしています。
これまで、様々な疾患を抱えている患者さんとお会いしてきました。
患者さん以外でも自分を含め、友人・知人が病気になったりしてきたのを見てきました。
それ程多くの患者さんを見てきた訳ではないので、
確固たる特徴や傾向をお伝えできる訳ではありませんが、
それでも、病気が悪化したり治らない人、
逆に病気が改善する人、長生きする人に共通する点があるような気がしたので、
思うことをブログしたいと思いました。
ただ、全ての人に当てはまるものではありませんし、
飽くまで私が感じていることだということをご了承頂いた上で読んでください。
注意事項を守る
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腎臓が悪くなってしまった患者さんがいました。
だるさと浮腫みで辛そうでした。
私が知っている知識をお伝えしたり、病院でも腎臓病のことや食事に関することなどの勉強会があり、
指導を受けていました。
それでも、味気のない食事は食べられないと言い、インスタントラーメンや漬物、あんパンなど、
食べたいものを食べていたようでした。
結局、腎臓は悪化の一途をたどり、人工透析寸前までいきました。
そして、病院側からいつでも人工透析ができるようにするための手術を提案され手術したのですが、
その手術が失敗したのか手術を二度行い、ようやく透析も始まったのですが、
入院したまま状態が悪化し、手術をしてから2ヶ月くらいで亡くなってしまいました。
あっという間の出来事で、今でもその患者さんが亡くなったことが信じられません。
もし指導を受けた時点で食事に気を遣っていたのなら、
透析するための手術をしなくて済んだかもしれませんし、
手術をするとしても、手術までの時間を遅らせることもできたかもしれません。
他にも腎臓を患っている患者さんが何人かいるのですが、
その方々は食事に気をつけて生活しているので、
透析をしていてもそれなりに元気に生活していますし、
透析寸前だった人でも、今でも透析をしないで生活しています。
ただ、その方々もガチガチに病院の指示を守っている訳ではなく、
時には食べたいものを食べて、その後にまた気をつける・・・など、
自分なりにきちんと考えながら食事をしています。
他人任せにしない
病気を治すのは「医者」だと思っている人が多いかと思いますが、
確かに私もこの仕事をするまでは、そう思っていました。
しかし、それは間違いだと気づくようになりました。
ある患者さんで悪性リンパ腫を抗がん剤で治した人がいました。
その後、抗がん剤の副作用で手足に痺れが残ったり、
筋力低下のため歩行が困難になったりしていました。
その患者さんは私が訪問する時だけ筋力トレーニングをするのですが、
あとはずっと座りっぱなしで、食事のことはもちろん、
身の回りのことや靴下を履くことまでも全部奥さんがやっていました。
痺れや筋力低下をどうにかして欲しいと訴えてくるので、
毎日運動するよう伝えたのですが、私が行った時しか運動はしないようでした。
結局その患者さんは、退院して1年ほどで悪性リンパ腫が再発して亡くなってしまいました。
この患者さんと同時期に同じ悪性リンパ腫で同様の後遺症が残っていた方がいらっしゃいました。
その患者さんは、リハビリだと言って、指先を使って絨毯のゴミを取ったり、
歩かないと動けなくなると言って、なるべく体を動かそうと努力したり、
歩くこともやっとなのに仕事に出て体を動かしたり、
癌に効果のある食べ物を食べたり、
温泉に行って体を温めたりしていました。
その患者さんはその後も7年くらいは再発せずにいたのですが、
別の難病にかかってしまい、つい最近亡くなってしまいました。
その患者さんは
「自分は何もしないで医者にどうにかしてくれって奴が一杯いるけど、自分で努力しないで治るわけないじゃないか。そういう奴に限って、何かあれば医者を訴えるんだ(怒)」
と言っていました。
単純に比較できるものではありませんが、
病気や症状を他人任せにして、人の力で治してもらおうとする人と、
病院に通いながらも、医者だけに頼らず、やれることはやって自分でも治そうと努力をする人とでは、
その後の経過や命の長さも変わってくるのではないかと思いました。
薬を飲み過ぎない・飲んでいる薬を把握する
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1年ごとに医者が変わる精神科に通っている患者さんがいました。
その病院には20代の頃から通っていて、もう40歳を過ぎていました。
40歳を過ぎて新しく来た先生が、その患者さんが飲んでいる薬の量を見て驚いたようです。
なんと、1回10錠以上の薬を1日3回飲んでいたとのことでした。
その患者さんは薬の副作用が原因で心臓を悪くし、その影響で脳梗塞を起こしてしまいました。
新しく来た精神科の先生が薬の量を減らしたことで、
これまでの薬の量が異常だったことや
薬の副作用で体調がおかしかったことにも気づくことができたようで、
それ以降は、できるだけ薬を減らす努力をしています。
その患者さんが言っていました
「病気が治ると信じて薬を飲んでいたけど、逆に病気になってしまった。
でも、世の中にこんな人たくさんいると思う・・・。」
私も同感でした。
もし、大量の薬を処方されている場合は、一度医者に相談してみることをお勧めします。
また、自分が飲んでいる薬はどんな効果があるのか自分でもきちんと把握して、
不明な点があれば医者に尋ねるようにしましょう。
ちなみに、私が受け持っている患者さんに96歳の方がいるのですが、
その患者さんは自分がどんな効果のある薬をどれくらい飲んでいるのかをきちんと把握していました。
自分の病気について良く知る
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患者さんの多くはご自分の病気についてあまりよく知らない人が多いです。
自分がどんな疾患を持っていて、
それはどんな症状が出る病気なのかという知識もほとんどありません。
病院に行き、検査を受け、医者に出された薬をもらって帰ってきて、指示通りに薬を飲む、
ということをしている患者さんが結構多くいらっしゃいます。
これは一番最初に話した「注意事項を守る」こととつながる部分もあるのですが、
自分の病気がどういうものなのかを知っていれば、
どんなことに注意して生活したらいいかということがわかると思います。
例えば、神経痛やリウマチがあったなら、
寒い日は症状が出て体が辛くなるということがわかります。
ですから、なるべく厚着をするとか、カイロを貼るとかして、対策をとることができます。
自分の病気がどのようなものなのかを知らなければ、
その病気との付き合い方がわからず、改善させるどころか逆に悪化させることになってしまいます。
ですから、もし何かしらの病名がついた場合は、
その病気の原因はどのようなもので、どんな症状が出て、
どうしたら改善し、どんなことに気を付けて生活していくべきなのかなど、
しっかり把握しておくと良いと思います。
運動・食事に気をつける
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上記でも少しお伝えしましたが、
担当した当時は92歳で現在96歳の女性の患者さんがいます。
しかも、一人暮らしをしています。
その方は、毎朝毎晩自己流の体操をしているようです。
もう何十年も続けているとのことでした。
若かった頃は(と言っても、70代・80代)毎日数キロ歩いていたとのことです。
しかも、今はもうやっていませんが、60代の時に水泳を始めて数年通っていたと言っていました。
今は、転んで膝を悪くしてからあまり外出できなくなってしまったのですが、
家の中で踵の高い靴をわざとに履いて、つま先に力がいくように工夫して歩いたり、
キッチンに立っている時でも、ただ立つのではなく、脚を上げたり下ろしたりの運動をしたりと、
体を動かすようにしているとのことでした。
しかも、食事にも気をつけているようで、
アマニオイルを味噌汁に入れて飲んでいたり、セサミンのサプリメントを何十年も飲んでいたり、
毎日、大根おろしや人参をすったものを食べ、梅干し、納豆、豆腐は欠かさないと言っています。
間食ができない性格で甘い物はほとんど食べず、いつもお茶を飲んでいるようです。
頭もしっかりしていて、会話も普通に成り立ちますし、きっと私より記憶力が良いです・・・(汗)
この患者さん曰く
「痛いからと言って体を動かさないと余計に動かなくなる。
私は痛いから動かすの。動かしているうちに痛みがなくなるから、やっぱり動かすのは大事。」
といつも言っています。
この患者さんを見ていると、運動や食事はとても大切なんだといつも実感させられます。
![](http://www.image-rentracks.com/wellness-dining/takuhai_wellness/300_250.jpg)
何が起こってもそれを笑い飛ばし、「なんとかなるさ」という気持ちでいる
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これは私の祖父や上記の96歳の患者さん、
そして他の90代の患者さんを何人も見てきて感じていることなのですが、
皆さん、あまり物事を深刻に考えない方が多いように思いました。
私の祖父は95歳で、戦争にはぎりぎり行かずに済んだ人なのですが、
戦争に行く前の訓練施設での食事のことを話してくれたことがあります。
自分でご飯を茶碗に盛るから、たくさん食べるために米を押し潰してご飯を盛ったのだけれど、
いざ食べようという時に「茶碗を隣に回せ」と言われて、
結局、自分が盛ったご飯を食べれなかったそうなのです。
「あれには参ったなぁ」と笑いながら話していました。
訓練所での辛かった経験より、ご飯を食べれなかったけれど面白かった経験を、
何十年も経った今でも笑いながら語るって、楽天家じゃないとできないことだと思いました。
それに、これは状況によっては良くも悪くもあることなのですが、
祖父は起こった出来事をそのまま受け入れると言いますか、
あらがうことをしないと言いますか、出来事に対して嘆かないと言いますか、
なんと言っていいかわからないのですが、そんなところがあるように思います。
でも、これって、とても大切なことである気がしています。
また、何度もお伝えしている96歳の患者さんも、
長女に生まれたために朝4時に起きて家事をさせられたり、
好きでもない人と結婚させられたり、5歳で娘さんを亡くしたり、息子さんとは音信不通だったりと、
本当に大変な人生を送られてきた方なのですが、
「過去を振り返っても仕方がない、終わったことをクヨクヨしない、前を向いて進んでいくしかない」
と言って、いつも笑っています。
それに、96歳で一人暮らしをされており、
耳があまり聞こえなかったり、目もあまり見えていなかったりしていて、
家の中では食べ物をこぼしたり、茶碗を割ったり、体も思うように動かなかったりしているのですが、
それを嘆くことなく、悲観することもなく、
逆にその失敗談をいつもおもしろおかしく話してくれて、笑い飛ばしています。
他にも90代の患者さんを見ていると、
皆さん様々な人生を送ってこられたようですが、
基本的に「なんとかなるさ」という気持ちで、
物事に対して楽観的に対処してきているように感じました。
まとめ
こんな風にブログを書いてきましたが、
寿命というものは生まれる前から決まっていることなのだと
内心、私は思っています・・・。
でも、そうは言っても、
やはり行動・食事・習慣などが寿命に与える影響は大きいのではないかとも思うので、
寿命が延び縮みするかどうかは知る由もありませんが、
もしかしたらそういうこともあるかもしれない気もしたので、
今回、このようなブログを書きました。
そして、たくさんの人を見てきて、寿命に一番大きく関わることは
やはり最後の
「何が起きてもそれを笑い飛ばし、なんとかなるさという気持ちでいる」
ということのような気がしています。
私の祖母は100歳まで生きたいと言っていたのですが、
祖父とは対照的に、とても心配性で他人の問題も自分で抱え込んで悩んでしまうタイプだったので、
80代で亡くなってしまいました。
祖母が祖父のようにもっと楽天的だったら、もっと長生きできただろうに・・・と思います。
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いかがでしたか?
皆さんの周りにいる長寿の方達にも
きっとこのような特徴があるのではないでしょうか?
「笑う」ってとても大切なことですし、
自分の健康だけではなく、
笑顔でいることは周囲の人の心も明るくしてくれますよね!